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脇田和は、戦前から日本の洋画壇を牽引した1人で、生涯にわたり鳥や人をテーマに独自の表現で描き続けた洋画家です。
また、洋画だけでなく版画や水彩画、絵本の挿絵も手掛けるなど多才で、「色彩の詩人」と言われる色彩力と、心に訴えるような美しい画面構成が特徴とされています。
会場には、油絵や版画、脇田の愛用品などおよそ80点が並びました。
脇田の作品は、その時々の自分の感情や状況が反映されたものが多く、1953年に描かれた「放鳥」も、その一つです。
この作品は、脇田が肋膜炎(ろくまくえん)を患い、療養生活中に描かれたもので、鳥と自身を重ね合わせ、心を解き放とうとする心情を表現しています。
また、特別展示として、脇田のアトリエやリビングが再現され建築家・吉村 順三(よしむら じゅんぞう)が設計した机をはじめ、デザイン性の高い家具や珍しい収集品から脇田のこだわりを感じることができます。
「脇田和展—アトリエの一隅-」は今月22日まで。
14日には学芸員によるギャラリートークも企画されています。 |